こども起業大学第8回は、海外で幅広いキャリアを築いた起業家・大森智子氏をゲスト講師にお迎えしました。石川県七尾市出身でありながら、ニューヨークで30年以上活躍する大森さんからは、「日本の当たり前が海外で特別な価値を持ち、ビジネスチャンスになり得る」という新鮮な視点を学び、子どもたちは自分たちの可能性を大いに感じることができる充実した時間となりました。
【大森智子氏の自己紹介と経歴】
・出身地:石川県七尾市
・ニューヨークでの生活:30年以上多様なキャリア
・俳優として活動メジャーリーグ
・中継の仕事
・雑誌編集
・飲食業経営(ゴーゴーカレーのアメリカ展開)
・現在:活全USAの社長として、日本からの企業や個人のサポートを行う
大森さんは俳優や雑誌編集、飲食店経営など多岐にわたる経験を通じ、海外でのビジネスチャンスの見つけ方や挑戦の仕方を学んで来られました。今回のこども起業大学では、そんな経験から得られた生きた知識やリアルなエピソードをたくさん共有してくださいました。
【日本の文化と価値の海外での評価】
大森さんは、「日本の文化や習慣は海外で驚くほど高く評価されている」と強調しました。たとえば以下のようなポイントが挙げられました。
・食べ物のおいしさ(特に白米・果物)
・清潔さ
・時間厳守
・礼儀正しさ
日本では“当たり前”と思われていることが、海外では魅力的かつビジネスとしての可能性を秘めている。子ども達にとっては、日本の価値を客観的に見直す貴重な機会となりました。
【子ども達が挙げた「日本の良さ」100以上のアイデア 】
文化 / 伝統
・神社、お宮参り、夏祭りなど、日本独特の行事や風習
・きもの、和菓子、三味線、琴などの伝統的な衣食住・芸能
・多神教や礼儀正しさなど、海外ではユニークと捉えられる考え方や習慣
食 / 文化
・白米、寿司、和食屋、お味噌汁など、日本特有の食事スタイル
・ウォッシュレットや清潔な調理環境など、衛生面も含めた「おもてなし」
・各地の特産品(北海道の牛乳、地方の野菜・果物)を活かすアイデア
技術 / アイデア
・自動販売機(ラーメンや餃子、ランドセルまで!)
・道路をきれいにするロボット、水を浄化する機械などの実用的テクノロジー
・バラエティ豊かな味の果物や「飲める白ごはん」など、おもしろ発想
文房具 / 学び
・漢字、ひらがな、カタカナなどの多層的な文字文化
・文房具の自販機や、日本のノート文化、書道・文豪の作品紹介など
・アイデアを「漫画」「ゲーム」に発展させる工夫
観光 / イベント
・日本の観光名所をゲーム化し、海外へ魅力発信
・日本の歴史・文化を体験できる博物館やイベント企画
・おもてなしを生かした「日本ツアー」プランのアイデア
その他ユニークな発想
・ケン玉に漫画を描く、ドラえもんグッズ、防災グッズなど
・様々な味のイチゴ(キャベツ味、コーラ味など)
・ボタンを押すと小さくなる家、歩く花、食べられる本などのSF的発想
子どもたちの自由な発想に、大森さんをはじめ大人たちも大いに刺激を受けていました。中には実現できそうなビジネスアイデアも多く、「自分たちの身近にこんなに宝があるのか」と再確認できる時間となりました。
【大森さんから子どもたちへのエール】
最後に、大森さんは子ども達に向けて熱いメッセージを送ってくださいました。
1.「あるもの」に目を向ける大切さ
・無いものではなく、今すでに持っている素晴らしさに気づくことが、ビジネスや挑戦の第一歩になる。
2.日本の文化や習慣は世界で高く評価されている
・当たり前と思っているおもてなし精神や礼儀正しさこそが、海外で大きな武器になる。
3.子ども達の集中力と創造力を称賛
・2時間以上も意欲的に取り組み、意見交換やアイデア発表をできるのは大人でも難しいこと。
4.自分自身を誇る気持ちの大切さ
・「今日の自分、よくやった!」と心から思えることで、次の行動につながるエネルギーが生まれる。
5.世界に羽ばたく力がある
・今回のアイデア出しのように、日本の良さを活かしてグローバルなビジネスに挑戦してほしい。自分の未来を自由に切り拓く可能性が、子ども達には十分にある。
【大人の参加者からの声】
講義に参加された保護者や大人の方々からは、次のような感想が寄せられました。
・子どもたちにアイデアを生ませて、言わせるのは、とてもいい試みだと思いました。大人向けの講座では、講師の考え方を教わるイメージが強いですが、今回は子どもの創造力を引き出す素晴らしい内容でした。
・中学生の娘が、アイデア出しや商品開発に取り組める高校を目指しているので、とても参考になりました。
・子どもが「とても楽しかったので、次も参加したい」と言っています。
大人たちからも高評価を受け、こども起業大学の取り組みが多方面で価値あるものだと再認識できました。
【まとめ】
こども起業大学第8回では、大森智子さんの豊富な海外経験を通じて、「日本の当たり前が世界では特別なビジネス価値になる」という新たな視点を学びました。子ども達も100を超える日本の良さをアイデアとして出し合い、その多様性と可能性に触れることができました。
大森さんから贈られたエールは、子ども達の心を大いに鼓舞し、自分たちが持つ“強み”や“素晴らしさ”に気づくきっかけとなったはずです。今後もこども起業大学は、子どもたちの無限の可能性を伸ばす場として、さまざまな専門家を招き、実践的かつ刺激的な学びを提供していきます。
次回の開催もお楽しみに!
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